2019年10月、JAGREメンバー(プロジェクトリーダー:鈴木、筑波大)が中心となって応募したJICA草の根技術協力事業(2019年度第1回)「交通事故から住民の命を守る救命救急活動支援プロジェクト 」が採択されました。
1.対象国名 ラオス人民民主共和国 (首都ビエンチャン)
2.事業名 交通事故から住民の命を守る救命救急活動支援プロジェクト
3.事業の背景と必要性
首都ビエンチャンでは交通事故件数は年々増加の一途をたどり、若者の死因第1位。またラオスでは病院前救急はボランティア救急隊が担っており、病院との連携が不十分。そこで交通事故を削減し、救命率を向上させるための取り組みを行う。
4.プロジェクト目標 首都ビエンチャンにおける交通事故による死者数・死亡率の低減
5.対象地域及び管轄する領事館 首都ビエンチャン、在ラオス日本国大使館
6.受益者層(ターゲットグループ)首都ビエンチャンおよびその周辺地域の住民
7.生み出すべきアウトプット及び活動
(1)ESSが開発され、VTEに導入される
1-1. プロトタイプ導入済のVR1623からプロトタイプの改善点を確認する
1-2. 改善点に基づいて、複数レスキュー・3中央病院に対応するためのシステムを改良設計する
1-3. センターサーバ系・車載端末系・病院情報系のシステムを開発する
1-4. 複数のレスキュー・3中央病院へとシステムを導入し、試験運用を通してシステムの改善要望を確認する
1-5. システムを改良し、運用システムを確立する
1-6. 関係機関と協議し、システムに蓄積されたデータを解析する機能を開発し、複数のレスキュー・3中央病院において運 用する
(2)ESSが活用され、以下の取り組みが行われる
2-1. レスキュー指令センターにおいて、救急車の位置モニタリングが活用され、指令・出動の効率化が図られる
2-2. 3中央病院において、病院前情報に基づいた、救急外来の傷病者受け入れ体制が構築される
2-3. 交通事故死傷に関するデータが分析され、データを活用した取り組みが行われる
8.実施期間 (西暦)2020年4月~2023年3月 (3年0ヵ月)
9.事業の実施体制
日本側の実施団体(共同事業体): 国立大学法人 筑波大学(代表)
株式会社 社会システム総合研究所(構成員)
1.団体名 共同事業体 国立大学法人 筑波大学(代表)
株式会社 社会システム総合研究所(構成員)
2.活動内容
応募団体はラオス首都ビエンチャンにおいて2017年より救命救急活動の支援を行っている。具体的には、病院前救護活動や外傷診療の指導(筑波大学)を行い、また救急サービス活動を支援するためのITシステム(救急車両の動態管理システム、病院前救急活動支援システム・プロトタイプ)を提供した。これらの成果に基づいて、2019年4月には国立ミッタパープ病院(保健省)とMoUを締結し、今後さらなる救命救急活動の高度化と交通事故削減に向けた協力を行うことを確認している。
本事業では、既に導入したプロトタイプシステムを首都ビエンチャン内すべての救急隊と主要な病院へと拡大し、このシステムを活用して救命救急の高度化を図っていくとともに、交通事故データを蓄積し、交通事故の削減に繋がる活動を行っていく。また救急隊及び病院の医師・看護師へのシステム導入教育や救護・外傷診療の質の向上のための研修(タイ・コンケンにおける第三国研修を含む)を実施する。